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いじめからの脱却! あれはサクラの願いを叶えてくれる子(幼稚園前半)

あれはサクラの願いを叶えてくれる子(幼稚園前半)

公園の桜:写真AC

相変わらず周りが優しくて本人は絶好調。
だけど親から見たら少しいじめっ子注意報なサクラの幼稚園時代。



知能の高いお嬢さん

初っ端から暗雲が立ち込めていたウメちゃんの幼稚園と対照的に、サクラは幼稚園でも人生上々路線を爆走します。

あまりに突っ走りすぎて、これ、いつか転んでひっくり返らないといいねぇと、親は苦笑交じりに思ったものですが…

余談ですが、サクラは外見に似合わず鉄砲玉野郎なので、転んで擦りキズの類はよくやらかしました。



『なんて可愛らしいお嬢ちゃん』

と、周りの人に言いまくられていたと言うのは前章でお話しましたが、サクラは一方で、小児科の先生や幼稚園の園長先生など、たくさんの子どもを見ていらした方にはいつも

『この子は知能の高い子ですね』
と、言われていました。


にっこり無邪気にみせているけど、まあこれが非常に計算高いというのでしょうか。
良い意味でも悪い意味でも利口な子でした。


例えば…幼稚園の面接に向かうタクシーの中、親はやっぱりウメちゃんの時にやったように練習をさせるわけですよ。

「あなたのお名前は?」
とママ子が聞くと、サクラは心底だるそうに

「知らなぁい」
と、答える。

もうほんっきで腹のたつような言い方なわけです、これが。


ところが本番。
園長先生の前で同じことを聞かれると、

「○○(名字)、サクラ、ですっ」

すらすらも言わない。言えるけど言わない。
まだたどたどしくしか言えないけど、サクラ一生懸命やってます♪
みたいな、あざといまでの無邪気さを演じて見せます。
女優です。

でも大勢の子どもを見続けて来た園長先生に見抜かれていたらしく…前述の
「この子は知能の高いお子さんですね」
という言葉を言われるわけです。

正直すごいな、この園長先生、と思っていたら、なんと園長先生ご自身も一番したのお子さんをその幼稚園の年長さんに通わせている幼稚園児の親御さん。

常に現実的で、それでいて園児の親目線。
幼稚園くらいの子どもがどういうものかをご自身の日常の中でわかっていらっしゃる、とても良い意味でくだけた先生でした。

そうそう、ウメちゃんの通っていた幼稚園はウメちゃんの次の学年の子が卒園した時点で閉園してしまったので、サクラは電車で一駅の家から少し離れた幼稚園に通っていました。

ということで、無事入園許可が出て、サクラの幼稚園生活が始まります。


あれはサクラの願いを叶えてくれる子

恐ろしい事にこれを3歳児が言いました。
ええ、言ったんです。
親は頭をかかえました。


あれは幼稚園に通って1カ月もした頃でしょうか。

サクラは電車&徒歩で幼稚園に通っていましたが、多くのお友達はママの自転車の後ろに乗せられて通っています。

そんな中で歩いているサクラに、自転車に乗った男の子が

「サクラちゃん、バイバ~イ!!」
と元気よく手を振ってくれていました。

…が、サクラはガン無視。

「ほら、バイバイって言われてるよ。
サクラお友達でしょ?」
と、挨拶を返すようにせっつくと、サクラはすまして

「お友達じゃな~い」

「え?でもサクラちゃんって言ってるから、向こうは知ってるみたいだよ?」

「ん~あれはねぇ、サクラの願いを叶えてくれる子


わが子ながらもう末恐ろしいと言うかなんというか……
これ3歳児の言葉です。
ウメちゃんがようやく「う~め~」って言ってた頃とそう変わらない年齢の子の言葉です。

サクラは4月半ば生まれ。ウメちゃんは6月の始めの生まれ。
どちらも割合と月齢は早い方で、同じ女の子ですが、これだけ言葉が違います。

前者のような子が後者のような子をいじめようと思ってしまったら、そりゃあ敵いません。
絶対に敵いません。

サクラの幼稚園のお友達はまだまだママと離れるのが心細くて泣いてたり、オムツが取れていなかったりするお子さんも多くいました。

サクラの一番の仲良しさんは同じように頭の回転も早く成長も早く月齢も早く言葉も達者な女の子。

小学生になったお姉ちゃんに触発された無邪気な男の子が
「僕もねぇ~来年は小学生になって学校に行くんだ~」
というのに2人して
「来年はまだなれるわけないじゃない。馬鹿じゃない」
とか言っています。

そんなサクラに親は若干ピリっとします。

正直…いじめられっ子の親だったので、絶対にいじめっ子には育てたくないと言う思いもあり、サクラにはいつも口を酸っぱくして注意していました。


幸い、小学6年生現在、固まって同調しないと自分がターゲットになりがちな女の子同士の友達づきあいも、上手に離れもしなければ近づきすぎもしない適度な距離をキープしつつ、いじめに加担する事もなくいじめられる事も当然なく、小学校を卒業しようとしています。






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