実際にあったいじめのない環境について
以前、いじめはだいたいの場所で起こるものではあるけど、稀に起こらない環境もあるとお話しましたが、2人の子どもを育ててそれぞれ1回ずつ、そんなクラスに遭遇しました。
どちらも小学校5,6年生の時。
ではその年代がそういう年代?というと、そういうわけではなく、ウメちゃんの時には隣のクラスでは壮絶なイジメがあって学級崩壊レベルだったので、やっぱりクラス環境だったのだと思います。
これはもうほぼ学校側と先生の力量で、同じ事をやってくれというのは無理というか酷なので、単なる一つの事例としてあげておきます。
ウメちゃんのクラスの場合─先生のおかげ
公立なのでクラス替えは2年ごと。
6年間で計3回が基本で、最後のクラス替えがあったのが4年生から5年生にあがる時。
担任になったのは大学を出たての男の先生でした。
最初の保護者会ではプルプル震えてて、
「先生、大丈夫!あたし達怒ったりしないからね?
子どもが悪い事したりしたら、遠慮なく叱ってやってね?」
と、一番のベテランのママさんに励まされていたのが印象的でした。
正直…可愛らしかったです(笑)
しかし小学生も5,6年生ともなれば生意気盛り。
そんな新米の先生の言う事なんて聞きはしません。
先生がいくら注意してもどこ吹く風。
特に女の子なんかは先生を小馬鹿にしているような態度。
フリーダムに騒いでいて、5年生も半ばになると他の学年の保護者からも、
「あのクラスは大丈夫なの?」
と心配される程でした。
まるで、動物園でした。
当時1年生だったサクラのクラスの方がよほど静かにお行儀よく勉強していました。
……が!
このクラス、うるさくて秩序はないけど、不思議とイジメがない。
まさに…某アニメのキャッチフレーズ
ケモノはいるけどノケモノはいない!!
先生の事はよくいじっていたけど、クラスメート同士はとても仲良くやっていて、そこにはいじめっ子もいじめられっ子も存在していませんでした。
いじめが存在しない。
それはいじめられっ子人生を歩んできたウメちゃんの親にとってはすごい事だったんですが、普通にそんな経験をしないで来た多数派の親御さん達にとっては当たり前の事で、それほど気にされていなかったと思います。
だから先生の評価って当初は底辺だったんですよね。
うるさいクラスをまとめられない先生、傍からみるとそんな感じでした。
それでも先生が偉いなぁと思ったのは、飽くまで子どもが悪いと言わなかった事。
保護者会のたび、
「子ども達は本当は良い子達なんです。僕はみんな大好きです。
ただ僕が慣れていなくてうまくまとめていけないので、お家ではどうやって静かにさせたりしているのか、参考にしたいので教えて頂けませんか?」
と、頭を下げられます。
そうしているうちにだんだんと子ども達も落ちついてきたようで、5年の終わりにはクラスの中心的な女の子が自主的に静かにするようにうながしたりし始めました。
そしてそのうち、みんな6年もその先生が良いねと言うようになり…6年もその先生が担任で、すっかり落ちついて学校を卒業。
その先生は最後の最後まで、自分のクラスの子ども達は良い子達だし、この子達と一緒に過ごせて幸せだったと言い続けていらっしゃいました。
そしてその後は受け持ったことのない学年の子ども達さえ口を揃えてその先生に担任になって欲しいと言うくらいに人気のある、立派な先生になられました。
と、これはおそらくもう先生の人徳なんですけどね。
実際にその先生の時には落ちついていた子も中学になって大暴れだったりしていたので。
では全部の先生がそうあるべきか…と言うと、これは酷かなと思います。
先生も職業の一つなので、全ての先生にそこまでは求められないかなと。
特にその先生の場合、前年度まで学生さんだったわけですし?
会社だったら新入社員で下手すれば教育係や先輩について勉強しているくらいの年ですから。
まあ…だからこそ、たまたま生徒を思いやる天才の先生に恵まれただけの、誰にもどうしようもないレアケースという事で。
次のサクラの時のケースは…学校によっては可能かな?
こっそりこっそり、保護者にバレないようになら?
バレたら一部の保護者から突きあげくらいそうですが……
サクラのクラスの場合─学校のおかげ
サクラの学年にいじめがあったなんて、実は4年生の最後の保護者会まで全く知りませんでした。
サクラはいじめに縁のない子だったというのもありますが、隣のクラスのことだったので。
4年生の時の最後の保護者会が2クラス合同のもので、その時に被害児童の親御さんから、現在いじめがあることについての説明があったのです。
思い切り要約すると
うちの子がS君(仮名)にいじめられてます。
校長先生の配慮で来年は別のクラスにしてもらえるそうです。
…という事で……
そしてその後、5年でクラス分けを見て、
校長先生考えたなと思わず苦笑しました。
見事なまでにS君と同じクラスには強い子ばかり揃っていました。
いじめられそうな気の弱そうな子はほぼいない。
いても最強クラスの子と仲が良くて守ってもらえそうな子だけ。
担任の先生は某スポーツのインストラクターからそっち系の高校の教諭を経て小学校の先生になったと言う体育会系。
なんというか…もう、いじめさせないぞ!と気合いが込められてる感満載で、物理的にS君がいじめに走れない環境をつくってしまった感じでした。
あとでウメちゃんの章でお話しますが、ウメちゃんの場合はこれと逆のクラスが作られたわけなんですけどね。
まあいじめっ子を1人排除しても別のいじめっ子が…、また、いじめられっ子が1人いなくなってもまた別のいじめられっ子が…、で、いじめはなくならないと言うのは事実は事実なんですが、もう強弱できっちり分けた上でそれぞれを大人がきっちり管理した場合は、例外的にいじめが起こらないクラスというものを作れるように思います。
じゃあ何故作らない?というと、これを差別だと怒る保護者が多いから…ですか。
サクラのこのクラスの場合も、保護者会でいじめられっ子の保護者がその話をした時に、
『うちの子も校長先生に言えばS君とクラスを離してもらえますか?』
という人が殺到しましたから。
S君について配慮した発言した親御さんは学年で1人だけでした。
誰だってイジメっこがいるクラスに自分の子をいれたくありませんし。
サクラは強くて巧い女なのでいじめられる可能性は限りなく0に近いと思っていた私でも、落ちつかないクラスで授業が進まなくて勉強が遅れるのは嫌かなぁと少し思ってたくらいです。
まあでも諦めはついてましたし、案の定同じクラスでも、あ~あ、やっぱりかぁ…ですみましたが、おうちによっては大激怒ですよね。
ただ、実際そういうクラスを作ってしまうと、思ったより荒れないんですね。
強者=荒れる子とも限らないので、いわゆる優等生の強者というのも少なくはなくて、そう言う子が全部ひとところに集まってしまうとそれなりに抑止になるのかなぁなんて思いました。
そのサクラのクラスもイジメが起こる事もなく、もうすぐ平穏に小学生生活を終えようとしています。
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